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本屋大賞発表!大賞は宮島未奈「成瀬は天下を取りにいく」が受賞!おめでとうございます

2024.04.10
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4/10(水)本屋大賞2024年が発表になりました。
大賞を受賞されたのは、宮島未奈さんの「成瀬は天下を取りにいく」です。
おめでとうございます!

各作品のオススメコメントは画像の一番下にありますので、ぜひご覧になってみてください

ノミネート作を含めて、フタバ図書各店でも大きく展開して販売中です。
ぜひ、ご来店と素敵な本への出会いをお願いいたします。

====< 2024年本屋大賞 >========
1位『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈(著)新潮社
2位『水車小屋のネネ』津村記久子(著)毎日新聞出版
3位『存在のすべてを』塩田武士(著)朝日新聞出版
4位『スピノザの診察室』夏川草介(著)水鈴社
5位『レーエンデ国物語』多崎礼(著)講談社
6位『黄色い家』川上未映子(著)中央公論新社
7位『リカバリー・カバヒコ』青山美智子(著)光文社
8位『星を編む』凪良ゆう(著)講談社
9位『放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件』知念実希人(著)ライツ社
10位『君が手にするはずだった黄金について』小川哲(著)新潮社

大賞 宮島未奈「成瀬は天下を取りにいく」新潮社 読了感想

愉快とも痛快とも違う、本気一直線の成瀬への憧憬に元気がもらえる最高のエネルギー回復本。 けん玉・コントに百人一首…これと決めたら猪突猛進、成瀬あかりは躊躇しない。 関わる登場人物も個性的。ラストエピソードの成瀬の心情も良かった、もっと惚れたぁ!

2位 水車小屋のネネ/津村 記久子 毎日新聞出版

義父の虐待で家を出て住み込みで働き始める18歳の姉と8歳の妹の半生、そして人の縁を繋いでくれた水車小屋のネネの物語。 やさしく見守り支えてもらった子供の頃の体験。そして自分自身も関わる人に恩を返していく。 40年にも渡りバトンパスで繋がっていく良心の温かい物語に感動しました。 特に、思い出話をしているような穏やかで温かいシーンだけを切り取ったような構成と、 章ごとに一気に10年経過する構成が素晴らしかった。

3位 存在のすべてを/塩田 武士 朝日新聞出版

30年前に起こった誘拐事件、身代金の受け渡しに失敗し男児は帰って来なかった。 しかし3年後に突然、誘拐された7歳の子供は祖父と祖母の元へ帰ってきた。 いったい空白の3年に何があったのか?記者の門田は再び事件を調べ始める。 「古びた公園」「山野の風景画」写実絵画であるが故に、ピタリとはまる場所が見つかっていく。 写実絵画から紐解かれていくミステリーは美しく新鮮でした。空白の3年、それは胸を締め付けられる 苦しい真実でしたが、その中に確かにある温かい物語に感動しました。

4位 スピノザの診察室/夏川 草介 水鈴社

医者は、科学者であり哲学者でもあるが、どちらかに偏るのが当たり前、 しかしその両方を兼ね備えた医者が一人いる。かつては大学病院で内視鏡手術のエキスパートだったが、 今は身寄りの無い老人や末期症状の患者を看取る京都の小さな原田病院で勤務しているマチ先生の物語。 淡い感じで進んでいく物語がとても心地良く、マチ先生も原田病院の一癖ある医師たちも温かくて個性的で素晴らしかった。 物語としても、科学者としてのエピローグと哲学者としてのエピローグという複数に重なったクライマックスが最高でした。 続編いけそうですよね・・・勝手に期待してます。

5位 レーエンデ国物語/多崎 礼 講談社

内乱くすぶる大帝国の中で、険峻な山脈に囲まれた呪われた地レーエンデ。 そこに英雄ヘクトルと、やがてレーエンデの聖母と呼ばれるようになる娘ユリアが訪れるところから 物語が始まる。久々に愛、冒険…重厚な世界観の本格ファンタジーを味わいました。 素晴らしい、どっぷりハマりました。数百年に渡るような世代を越えていく長編のシリーズで、 この1巻に続いて3巻まで刊行中(全部、最高の面白さ)。5巻迄出るとのことで続きが待ち遠しいです。

6位 黄色い家/川上未映子 中央公論新社

貧乏な環境から連れ出したくれた黄美子と小さいバーで働く未成年の花。信じられるのは金だけと、 金に執着し仲間と必死に働くが、それを嘲笑うように不幸は起こり、生きるためにより非合法な仕事に 手を染めていくリアルで壮絶な物語。幸せになりたいか?この言葉の深い意味を考えずにはいられなかった。 非合法に手を染めながら生きている人と、陽の下で正しく生きている人は当然違う。 でも何が違っているのか、必死なんだ同じじゃないかと思ってしまいました。

7位 リカバリー・カバヒコ/青山美智子 光文社

「あー、カバヒコ最高。カバヒコに会いたい」新しく出来たマンションに住む人たちの5つの物語。 近くのさびれた小さい公園にある、塗料が剥げたアニマルライドのカバ。そのカバには不思議な力があって、 悩んでる時に自分の体の治したい部分を触ると回復してくれる。人呼んで、リカバリー・カバヒコ ‥‥カバだけに。 カバヒコに会って、なんとかしたいって心が前に向き始めて、そんな時にちょっと助けてくれる人がいる。 5つの短編が連作となってお互いが助け合って人の縁が繋がっていく、心地よく温かい物語に感動しました。

8位 星を編む/凪良 ゆう 講談社

ただのスピンオフじゃない「汝、星の如く」の対となる作品、 この1冊を読むことで物語として完成したんだと思いました。 優しい理解者として包み込んでくれた北原の隠された真実、 櫂を支えた植木と二階堂の編集者2人の「汝、星の如く」刊行へのストーリー、 そして櫂を失った暁海のその先を描いた新しい物語。 激しい火花のように輝き散っていった「汝、星の如く」に対して、 散った欠片を集めて編み込み、温かく包み込んでくれる「星を編む」。 対象的でもあり、2つの物語が合わさることで見えてくる愛の形。・・・本当に素晴らしかったです。

9位 放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件/知念実希人 ライツ社

いよいよ待ちに待ったプール開きの日に起こった事件。プールの中が金魚で一杯! 夜中のうちに、誰が?何のために?4年生の天馬くん、陸くん、美鈴ちゃんの通称「ミステリトリオ」が 小学校に起こる謎の事件を解決しちゃいます。 小学生低学年の子が読んでも安心なストーリーで、読みやすく、たくさんのイラストがあって とっても分かりやすい。伏線が見事につながった時の、おおお!を感じてくれる姿を想像すると ニヤニヤがとまらない。謎解きに秘密基地、子どものワクワクが詰まったシリーズ誕生ですね。

10位 君が手にするはずだった黄金について/小川 哲 新潮社

私小説のような小川哲自身を主人公にした6編の思い出話。 面白く、のめり込んで読んでしまうが…思わぬ深みにはまり込む一冊 あれ実話と思って読んだけど、これ創作?どこまでが実話、どこまでが創作、まったく分からない。 小川哲が何者なのか?を感じられる一冊でした。でも何者なのか分かる一冊ではございません(笑)。 しかし、一つだけ分かることがあります。地図と拳、君のクイズ、この一冊も含め、 小川哲の小説はどれも面白いということです。

               
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